p.6 リンク(準備中)





辞世の句


 

十返舎一九

この世をば どりゃお暇に 線香の 煙とともに 灰さようなら

(この世をそろそろ去ろうか!葬式の線香の煙と一緒に 身体は灰になって、はい!さようなら!)

 

勝海舟

はい、これでおしまい 

 

 

 

1. この世をば どりゃお暇に 線香の煙とともに 灰さようなら 十返舎一九

 

2.つひに行く 道とはかねて 聞きしかど 昨日今日とは 思はざりしを 在原業平

 

3.夜もすがら 契りしことを忘れずは 恋ひむ涙の 色ぞゆかしき 藤原定子

 

4.生まれては つひに死ぬてふ 事のみぞ 定めなき世に 定めありける 平維盛

 

5.討つ者も 討たるる者も 諸ともに 如露亦如電 応作如是観  大内義隆

 

6. 何を惜しみ 何を恨まむ もとよりも このありさまの 定まれる身に  陶晴賢

 

7.五月雨は 露か涙か 不如帰 我が名をあげよ 雲の上まで 足利義輝

 

8.今はただ 恨みもあらじ 諸人の 命に代はる 我が身と思へば 別所長治

 

9.浮世をば 今こそ渡れ 武士の名を 高松の 苔に残して 清水宗治

 

10.さらぬだに 打ぬる程も 夏の夜の 夢路をさそふ 郭公かな お市の方

 

11.夏の夜の 夢路はかなき あとの名を 雲井にあげよ 山ほととぎす 柴田勝家

 

12.昔より 主を討つ身の 野間なれば 尾張(終わり)を待てや 羽柴筑前    織田信孝

 

13.石川や 浜の真砂は 尽きるとも 世に盗人の 種は尽きまじ 石川五右衛門

 

14.露と落ち 露と消えにし 我が身かな 浪速のことも 夢のまた夢 豊臣秀吉

 

15.ちりぬべき 時知りてこそ 世の中の 花も花なれ 人も人なれ 細川ガラシャ

 

16.嬉しやと 再びさめて 一眠り 浮き世の夢は 暁の空 徳川家康

 

17.筑摩江や 芦間に灯す かがり火と ともに消えゆく 我が身なりけり 石田三成

 

18.曇りなき 心の月を さきたてて 浮世の闇を 照らしてぞ行く 伊達政宗

 

19.限りあれば 吹かねど花は 散るものを 心短き 春の山風 蒲生氏郷

 

20.風さそふ 花よりもなほ 我はまた 春の名残を いかにとやせん 浅野長矩

 

21.あら楽し 思ひは晴るる 身は捨つる 浮世の月に かかる雲なし 大石内蔵助

 

22.世の中の 役をのがれて もとのまゝ かへすぞあめと つちの人形 曲亭馬琴

 

23.身はたとひ 武蔵の野辺に 朽ちぬとも 留め置かまし 大和魂 吉田松陰

 

24.うつし世を 神去りましゝ 大君の みあと志たひて 我はゆくなり 乃木希典

 

25.先帝の 霊柩永しへに 宮闕を 出でさせたまふを 悲しみたる 乃木静子

 

26.散るをいとふ 世にも人にも さきがけて 散るこそ花と 吹く小夜嵐 三島由紀夫

 

27.旅に病んで夢は枯野をかけ廻る 松尾芭蕉

 

28.おもしろきこともなき世をおもしろく 高杉晋作

 

29.おもしろきこともなき世におもしろく 高杉晋作

 

30.これでよし百万年の仮寝かな 大西瀧二郎

 

31.人魂で行く気散じや夏野原 葛飾北斎

 

32.何処やらに鶴の声きく霞かな 井上井月

 

33.大ばくち身ぐるみ脱いですってんてん 甘粕正彦

 

34.糸瓜咲て痰のつまりし佛かな 正岡子規

 

35.行列の行きつく果ては餓鬼地獄 萩原朔太郎

 

36.動かねば闇にへだつや花と水 沖田総司

 

37.大笑い三十年のバカ騒ぎ 石川力夫

 

38.順逆無二門 大道徹心源 五十五年夢 覚来帰一元    明智光秀

 

39.四十九年一睡夢 一期栄華一盃酒 上杉謙信

 

40.人生七十 力囲希咄 吾這寶剣 祖佛共殺 堤る我得具足の一太刀 今此時ぞ天に抛  千利休

 

41.武蔵野に名もはびこりし鬼あざみ 今日の嵐に少ししおれる 鬼坊主清吉

 

42.世の中の 米と水とを 汲み尽くし 尽くして後は 天つ大空 島津義弘

 

43.はい、これでおしまい 勝海舟

 

44.この世をば しばしの夢と 聞きたれど おもへば 長き 月日なりけり 徳川慶喜

 

45.快く受けん 電光三尺の剣 只まさに 一死をもって君恩に報いん 近藤勇

 

46.なかなかに 世にも人をも恨むまじ 時にあはぬをを身の咎にして  今川氏真

 

47.吉野山 風に乱るる もみじ葉は 我が打つ太刀の 血煙と見よ  吉村虎太郎

 

48.見よや人 嵐の庭の もみじ葉は いずれ一葉も 散らずやはある 平野國臣 

 

49.我が身今 消ゆとやいかに 思ふべき 空より来たり 空に帰れば 北条氏政

 

50.先に行く あとに残るも同じこと 連れて行けぬをわかれぞと思う 徳川家康

 

51.昨日まで まくもう草を 入れ置きし へんなし袋 今破れけり 太田道灌

 

52.極楽も 地獄も先は 有明の 月の心に 懸かる雲なし 上杉謙信

 

53.善もせず 悪も作らず死ぬる身は 地蔵もほめず 閻魔叱らず 式亭三馬

 

54.君が為 尽くす心は 水の泡 消えにし後は 澄み渡る空  岡田以蔵

 

55.七転八到 四十年中 無自無他 四大本空  朝倉義景

 

56.露の世は 露の世ながら さりながら 小林一茶